2007年11月18日

第33章 感想と気になる点

第33章をすでに読み終えられた方は「続きを読む」をクリックしてください。

今度もまたあらすじが長くなってしまいました。スネイプの記憶については、これまでの謎を明かしている部分が多く、すべての場面を取り込み、内容も詳しく書き表したつもりです。

謎の釈明については後にして、最初にこの章を読んだとき、一番ショックだったのは、ダンブルドアのハリーに対する意図とそれがハリーに与えたに違いないショックでした。ダンブルドアにとって死は終わりではなく、何でもないないものであるとしても、また、それがgreater goodのためであるとしても、自分の好きな人が自分の死を望んでいる、自分の死を計画していたと知るのは、ハリーにとってどんなにショックだったでしょう。この章ではハリーは傍観者という立場で、ハリーの心情については語られていませんが、これを聞いたときのハリーはさぞかしショックを受けたと思います(ごくわずかにそれらしい表現がありますが、この部分は後で「気になる英語表現」で取り上げます)。

2度目にこの章を読んで強く印象に残った部分は、スネイプのリリーに対する愛情でした。切ないほど情熱的にリリーを愛しながら、まったく実らず、誤解と失望の連続だったのが、気の毒でした。が、それゆえに、スネイプの愛情が無私に近いもので(特にリリーが死んでからが)、感動的でした。フィニアス・ナイジェラスにMudbloodという言葉を使うなと厳しく言ったのもうなずけます。

スネイプの記憶について言及する前に、一言。トンクスとルーピンを殺すなんてひどい!!しかも、スネイプの死よりもさらにあっさりとした扱い方で、どんな死にかたをしたのかにもまったく筆は割かれておらず、テディー・トンクスの死よりも扱った行数が少ないのには、ひどいと思いました。テディーはハリーと同様、みなしごになってしまったわけです。アンドロメダというおばあさんがいただけでもハリーよりは幸せかもしれませんが。

さて、この章ではこれまでの多くの謎が解き明かされ、ジグソーパズルの断片がだんだんにはまってきた感じです。スネイプの記憶の順番に書き表していくと、まず、わたしはペチュニアは只者ではないとずっと思っていたのですが、ダンブルドアにホグワーツ入学の許可を願っていたのですね。ペチュニアとリリーの関係も興味深いと思いました。心底ではお互いに愛し合っていたようですが、ペチュニアにはリリーに対する嫉妬が多分にあったようです。その嫉妬の部分がすべてハリーに対する態度に出てしまったのでしょうか。スネイプのようにリリーの息子ゆえに大切にするという気持ちはなかったようですね。

それから、未成年の魔法について何が違法なのかという問題が、これまでわたしの管理する掲示板2つで話題になっていましたが、ホグワーツ入学前に杖を使わないで行った魔法は違法にはならないことが明らかになりました。

スネイプにとってのホグワーツは、ちょうどヴォルデモートとハリーにとってのホグワーツと同様だったのですね。3者とも家庭に恵まれず、ホグワーツが本当に自分にとっての家であり、すべてであったようです。

ダンブルドアが死にかけていたというのもショックな発見でした。これによって、ダンブルドアの死の意味も変わってくると思います。

7巻発売以前、ハリーはホークラックスの1つではないかという説があったようです。この章の中でダンブルドアはホークラックスという言葉を使っていませんが、ヴォルデモートの魂の断片がハリーの中に入ったということなので、ホークラックスと同様であるように思われます。ダンブルドアの表現からすると(この部分も「気になる英語表現」で取り上げます)、明らかにヴォルデモートはこのときに死んでいるようなので、肉体を失った魂が肉体を離れて、アルバニアで生き続けることができたのなら、ホークラックスを作る必要があったのだろうかとわたしは疑問に思います。そこで、ホークラックスとは何かという問題にもなってくるわけですが、ホークラックスというのは、本体の魂に取って代われるものではなく、それが1つでも残っている限り本体の魂は永遠に地上に残ることができるという保証のようなものなのでしょうか。

前章で不思議に思っていた点が解決しました。スネイプがナギニに絶えず目をやっていたのは、ダンブルドアの指示を確認するためだったのですね。これが、ダンブルドアがハリーに真実を教えても大丈夫だと言っていた時期なのだと思っていたのでしょう。しかし、たまたまハリーが同じ時にShrieking Shackにいたからよかったようなものの、そうでなかったら、ハリーは永遠に真実を知らなかったでしょうし(スネイプが遺書を残していたのなら別ですが)、ダンブルドアの計画は運に頼るところが大きかったように思います。

ダンブルドアとスネイプとの関係の変化も興味深い部分でした。ダンブルドアは最初スネイプをその利己心ゆえに軽蔑していたようですが、その後だんだんに高く評価するようになったようです。スネイプのダンブルドアに対する忠誠心については、最初に読んだときには、単にリリーを守るという約束の代価として、そして、リリーが死んだ後はリリーを殺したヴォルデモートに対する恨みから仕返しするためにも反対側についただけと解釈していたのですが(7巻専用掲示板にはそう書き込んだのですが)、今回このブログのために読み返してみると、スネイプのダンブルドアに対する愛着らしきものがあるように思えました(この部分も、「気になる英語表現」で取り上げてみます)。やっぱり、ハリー・ポッターは読み返してみるものですね。

読み返すといえば、最初に読んだときにはスネイプがパトロナスを出した意味がわからなかったのですが、読み返してみてわかったような気がします。この部分のダンブルドアとスネイプとのやり取りは掲示板でも話題になっていましたので、「気になる英語表現」で取り上げる予定です。

6巻のブログで、7巻ではダンブルドアが肖像画になってハリーを指導してくれるといいですねというコメントをいただいたことがありますが、ハリーは7巻ではホグワーツには行かないことになっていたので、肖像画の指導は期待できなかったわけですね。が、スネイプがヴォルデモートに取り入ることによって、ホグワーツの校長に就任し、校長室にかかったダンブルドアの肖像画から指示を受けるという道があったわけです。このへんもよくできているなと思いました。

スネイプのパトロナスが雌鹿で、ディーンの森でハリーにグリフィンドールの剣を発見させ、取らせたのもスネイプだったということがわかりました。ハリーがなぜグリフィンドールの剣が池の底に沈んでいて、もっと簡単なところに置かれていなかったのかと疑問に思っていましたが、これにはダンブルドアの意図が絡んでいたようです(これも詳しくは「気になる英語表現」で。)
posted by みちえ at 22:30| Comment(6) | TrackBack(0) | 気になる英語表現 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
30章辺りから一気に読みました。続きも早く読みたいです!

スネイプ先生はハリーをかばって死ぬのでは、と多くの人が予想してたのと同じように
私もそうだといいなと思ってました(やっぱり死は免れないだろうと思ってたので)。
でも、それだと記憶を取り出す暇が無いのでこういう死に方しか無かったのかなぁとも
思いました。

1つ前の章の最後で、スネイプ先生が死ぬ前に"Look at me"とハリーに言ったのは、
ハリーの目はリリーと同じ色だから、だから見つめていたかったのかな〜とか思いました。
ハリーの中のリリーの部分は外見だと目しか無いので。

スネイプ先生がリリーと結ばれなくて可哀想、と思いつつも、リリーの立場になってみると、
陰気なしかも闇の魔術に傾倒してるスネイプと性格が更生されたジェームズだったら
ジェームズの方がいいよね〜とどうしても思ってしまいます。。。

スネイプ先生の片思いがとても切なかったので、スネイプ先生も読者も納得いくような
リリーとジェームズの馴れ初めも知りたいなーと思いました(この先に分かるのかな?)

スネイプ先生とダンブルドア先生は、対等までいかなくても結構同じくらいのレベルで
話せる関係のように見えました。スネイプ先生は同い年のジェームズやシリウスと比べて
随分大人びた人だったのかなと思いました。

とにかく、この章でスネイプ先生のことがすごく人間らしく(魔法使いだけど)思えて、
好印象になりました。今までハリーに厳しすぎたのと、やっぱり外見が爽やかじゃないので
なかなか好きになれなかったけど、ここの章をきっかけに見方が変わりました。
Posted by Minila at 2007年11月20日 23:16
Minilaさん、コメントをありがとうございました。
スネイプがハリーに自分を見るように最後に言ったのは、おっしゃるとおりだと思います。ハリーの目がリリーのに生き写しというのは何度も本の中で繰り返されていますし。スネイプが人生最後に見たかったものなのでしょうね。
Posted by みちえ at 2007年11月21日 18:01
毎回、楽しく読ませていただいています。だいぶ前の読み終わってはいるのですが、何せ英語が苦手なので間違って解釈している部分も多く、理解を確認させていただいております。
32章終盤から33章はとても感動的でした。7巻の中で唯一、スネイプの死だけがしっかりと書かれているなと思いました。
私はホークラックスを、「魂を地上に繋ぎ止める鎖と錨の役目をするもの」と解釈したのですが…どうでしょうか?魂を分断しホークラックスを作ることによって、大元の魂から触手のように地上に繋ぎ止める鎖を出し、ホークラックス本体はその末端の錨。そしてホークラックスを破壊することにより、錨を失った鎖は地上とのつながりを絶たれる。そんなイメージをもちました。
きっとヴォルデモートは魂を分断しすぎていたので、赤ちゃんハリーへの死の呪いが撥ね返ったとき魂の欠片が弾け飛んだのでしょうね。
Posted by haru at 2007年11月22日 01:51
haruさん、コメントをどうもありがとうございます。
32章ではスネイプの死はあまりにもあっけないように描かれていましたが、33章でそれを美しくほぼ完全に補っていますよね。この章があってこそ、スネイプ先生も浮かばれると思います。
ホークラックスについては、33章550ページの記事へのコメントでRootさんが上手にまとめてくださっていますが、haruさん説明もビジュアルでわかりやすいと思いました。ありがとうございます。
ホークラックスを多く作りすぎたためにヴォルデモートの魂が不安定になっているというようなことを前のほうの章でハーマイオニーも言っていますが、おっしゃるとおり、ここでは意図してハリーをホークラックスにしたわけではなく、偶然の出来事ですよね。
Posted by みちえ at 2007年11月22日 02:32
しばらく忙しくてご無沙汰してしまいました。みちえさんはスネイプの記憶がハリーの手に渡ったのは運が大きいとおっしゃっていますが、私はスネイプは自分が死ぬ前に渡そうとしていたのではないかと思いました。その直前にスネイプはヴォルデモートに自分がポッターを探してくると何度も執拗に訴えています。(ルシウスと同じだと馬鹿にされても)スネイプはルシウスほど馬鹿ではないので、この時にハリーに何かの伝言をするつもりだったのではないでしょうか。

また、記憶はこれが人生のすべてではなくたぶんハリーに必要な部分があらかじめ整頓されていたでしょうから、もし万が一ハリーに会わず死ぬような事になったら、たぶんハーマイオニーとか信頼できる誰かに小瓶を託すなどという手段もあったので、この場面は偶然の所産だったとしても、スネイプは何らかの手段を行使できたと思います。そしてスネイプという人はそういう人だと思います。
Posted by KK at 2007年12月01日 10:36
KKさん、鋭いスネイプ観です!あれはハリーに会って直接ダンブルドアの言葉を伝えるためのスネイプの必死の努力だったのですね。グリフィンドールの剣をハリーに渡す計画からしても、やっぱりスネイプだったら、それなりに計画があったのでしょう。ナギニの状態を発見するのと、自分の死があまりにも近すぎたのがスネイプの誤算だったのでしょうね。
Posted by みちえ at 2007年12月04日 02:46
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。