この章は前の章とうってかわってアクションがいっぱい、ストーリー上も大きな展開のある章となりました。この章でも、ローリングさんひどい!なつかしのドビーが忽然と登場し、大活躍したと思ったら、次の章に移る間もなく死んでしまうなんて。ハリーが姿消しの術でマルフォイ家から姿を消す瞬間に見た場面の中に、ベラトリックスのナイフがハリーたち(ハリー・グリップフック・ドビー)のいた場所に向けて飛んだという描写があるので、ちょうど消える瞬間にベラトリックスの投げたナイフがドビーの胸に刺さったのでしょうね(実はわたしはこの部分を最初に読んだときに見逃していました)。
また両面鏡の中の青い目が登場しました。ハリーはダンブルドアの目と思っているようですが、ダンブルドアは死んでいるのでそれはありえないでしょう。死んだ人が使えるなら、シリウスこそ映っていいはず。突然のドビーの登場ということを考えると、やはりドビーをよこした人ということになるかと思います。
ワームテールの銀の手にも驚きました。確かダンブルドアが命を助けられた魔法使いと助けた魔法使いの間には特別な関係ができあがるとかそんなことを前に言っていたと思いますが、ハリーが3巻でワームテールを助けたことは、こんなふうに影響することになったわけですね。また、そのワームテールに襲いかかった銀の手のことを考えると、ヴォルデモートの非情さを思い知らされます。
ベラトリックスはアンブリッジに勝るとも劣らないサディストですね。自分の気に入る判定を下したグリップフックに、まったく意味もなく切りつけるって、ちょっと普通では考えられません。ハーマイオニーの拷問も楽しんでいたのでしょう。ハーマイオニーもよくがんばったと思います。ハリーやロンはこれまで肉体的に傷をおうことはしばしばありましたが、ハーマイオニーには初めての体験だったはず。
もうちょっと軽い話題としては、ハーマイオニーが名乗ったペネロピー・クリアウォーターは確か前に登場しましたよね。パーシーのガールフレンドではなかったでしょうか?ロンの言うとおり、やはり切羽詰ったときには、まったくのでっち上げよりは、根拠のある嘘をつくほうが簡単なようです。
嘘といえば、ハリーがクラブだったかゴイルだったかにポリジュース・ポーションで変身して、スリザリン寮に忍び込んだ経験が役に立ちました。
死ぬ前に、「ドビーは自由だ。」とかつての主に誇らしげに語り大好きなハリーのために活躍できたことが、せめてもの救いだと心から思わずにはいられない章でした。
それにしても、2巻から登場してきたしもべ妖精たち、ハーマイオニーの一見無駄そうに見えたしもべ妖精解放運動などもすべてこの7巻にきての前半のクリーチャーの告白と活躍、ドビーの死を賭けたハリーへの恩返し、マルフォイ一家への復讐と見事につながってきていることに感嘆を覚えた私です。
それからみちえさんにお尋ねしたいことがあります。
タイトルにもあるmanorという屋敷は、mansionなどと比べてどんな感じが
するのでしょうか。マルフォイ家は相当金持ち、巨大な財産、使用人多数という印象を持ったのですが…。
manor houseは大地主の屋敷で、主に田舎に見られ、家自体は普通の家よりは大きいものの、mansionやstately home(貴族の屋敷)ほどは大きくないようです。また、mansionはどちらかというと街中の豪邸を思わせることが多いそうです。その点、manor houseは田舎というロケーションからも周りを広大な土地で囲まれていることが多いようです。
私は、てっきり、manor houseの方が mansionより豪華なんだと思いこんでいました。田舎にある、という点で、人目を避けて集まれるデスイーターたちの拠点にぴったりの場所なんですね。
ドラコやルシウスのイメージからもっと都会に住んでいるおしゃれな一家を想像していましたが、もしかしたら思ったよりあか抜けていない一家かもしれないと言う気がしてきました。